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テナントの用途変更

既存のテナントをこれまでとは違う使い道で使用する場合、用途変更の手続きが必要になることがあります。ここでは、用途変更が必要になるケースをはじめ、用途変更を行なう際の流れや変更の申請をしなかった際の罰則についてまとめました。

テナントの用途変更が必要になるケース

既存のテナントの使い道を変更する際に必ず確認したいのが、用途変更の手続きが必要かどうか。次の2つの条件を満たすケースでは、用途変更が必要になります。

特殊建築物にあたるのは、建築基準法第二条第二項で定められている飲食店や百貨店、ホテル、映画館、倉庫、物販店など。事務所は特殊建築物に該当しないため、たとえば飲食店だったテナントを事務所に変更する場合は、用途変更の必要はありません。200㎡を超える事務所を飲食店に変更する場合は、飲食店が特殊建築物に含まれるので用途変更が必要です。

用途変更が必要になるかどうかを考えるには、新しい使い道が特殊建築物に該当するかを確認しましょう。飲食店から事務所に変更する例のように新しい使い道が特殊建築物に該当しないのであれば、用途変更は不要です。また、以前の用途と同じような業種の特殊建築物に変更する類似用途のケースでも、用途変更の必要はありません。

たとえばレストランを居酒屋へ変更する場合は、類似の用途として用途変更の必要がないケースにあたります。

テナントの用途変更の流れ

用途変更には、かなりの数の申請書類とそれを作成する知識が必要になるため、建築士のいる建築事務所に依頼するのが確実です。

用途変更の流れとしては、事前準備として用途変更が必要かどうかを確認し、次に建物が既存不適格に該当しないかをチェックします。既存不適格とは、新築として建てられた当時は法律の基準を満たしていたものの、法令の改正や都市計画変更などにより現在の法令に適合していない建物のことです。

既存不適格の建物を用途変更または増改築する場合は、最新の建築基準法に適合するように工事しなければいけません。

用途変更の必要の有無や既存不適格かどうかの確認が済んだら、用途変更に必要な書類・資料を用意します。必要な書類・資料は、確認申請書をはじめ、検査済証または建築確認書、建設当時の設計図面、消防適合証明書など。必要な資料がそろっていないと申請がうまく進まず、工事の完成が遅れる可能性があるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

用途変更に必要な書類がそろったら、建築事務所が打ち合わせ内容をもとに確認申請書と確認申請図面を作成し、行政や検査機関などに提出します。提出した書類の申請が通って確認済証が交付されるまでは、工事を着工できません。

用途変更の手続きはこれで終わりではなく、工事が完了したら工事完了届けの提出が必要です。また、用途変更の内容によっては、消防署や保健所などの関係機関から完了検査を受ける必要があります。

用途変更の確認申請をしなかった際の罰則

用途変更の確認申請が必要にもかかわらず申請しなかった場合、建築基準法違反として建物の所有者に対し、最大で懲役3年以下または300万円以下の罰金(建築所有者が法人の場合は1億円以下の罰金)が課されます。

また、違反建築物であることが原因で事故が起きた場合、刑事事件として訴えられる可能性もあります。用途変更の条件を満たしていない建物だとしても、用途変更の内容によっては求められる安全基準が異なるため、違反建築物に該当しないかどうか建築士に相談するのがおすすめです。

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