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既存物件の現行の用途によっては、用途変更時に注意しておくべきポイントは異なります。
ここでは、具体的に病院やクリニックの物件を別用途に用途変更する上で押さえておきたいポイントを解説した上で、実際に病院やクリニックから用途変更した事例を紹介します。
元々病院やクリニックとして使用されていた物件を用途変更するする場合は、既存の物件がどのような設備を備えているかを確認することと、変更後の用途に必要な設備を確認する必要があります。
第一に、既存物件が搭載している設備に関しては、建築基準法では20床以上で病院、1床以上19床以下で病院ではない特殊建築物、無床の場合は非特殊建築物とされています。
そのため、用途変更に使おうと検討している物件が有床か無床か、また有床であれば幾つのベッドを有しているかによって、最適な用途変更の形は異なります。
例えば、いくつかの病床を有している物件を用途変更するのであれば、用途変更後もベッドが必要になると想定されるエステサロンや介護施設等へ作り替える方が、既存の設備を有効活用した用途変更になるでしょう。
一方で、無床の診療所やクリニックとして利用されていたテナントを用途変更するのであれば、特にベッドを必要としない販売店や学習塾などへ用途変更する方が、変更にかかる費用を削減できます。
このように、既存の病院やクリニックを利用して用途変更を検討している物件オーナーは、所有している物件のスペックを再確認することが必要です。
倉庫・空き家を飲食店やショールームへ用途変更を行った事例を紹介。また、倉庫・空き家から用途変更をする際、どのようなポイントに注意すべきかも解説します。【画像付き】東京での用途変更事例と
その申請・施工会社のまとめ
CABONは、神奈川県藤沢市で病院として使用されていた物件を学習塾へと用途変更した実績を持ちます。この事例では、対象物件のアドバンテージであった綺麗なトイレなどの既存設備を40%残しつつ必要な部分の改修工事を進めることで、可能な限りの費用削減に成功しました。
さらに、あえて開放感を感じられるような広々とした室内デザインに仕上げ、内装も明るい色を使ってポップな雰囲気にまとめることで、用途変更後の学習塾に通う生徒たちがのびのびと勉強に専念できる環境を作り出しました。
依頼主の要望に合わせて、活用できる既存設備を残しつつ工事を進めることで、要件を満たしつつ実現可能な予算内で用途変更が実現しました。
ミサワリフォームは、神奈川県横浜市で耳鼻科として使用されていた建物を活用して、デイサービス型の介護施設へと用途変更した実績を持ちます。
元々の耳鼻科を閉業してから数年が経っていた中で、地域住民に親しまれるようなアットホームな介護施設に再生したいという依頼主の要望に合わせて、木目を基調とした暖かい色合いに仕上げました。
また、日当たりの良いサンルームを増築することで利用者が暖かみを感じられるような空間デザインを実現しました。このように、元々診療所やクリニックとして利用されていた物件は、利用者の使い心地に配慮した空間設計や衛生設備が整っているケースが多いため、用途変更に向いていると言えます。