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躯体調査とは、鉄筋コンクリートの建物で何かしらの不具合が発生しており、躯体の状態を調べる必要がある際に行われている調査です。コンクリートの強度や鉄筋の入り具合、表面の浮き・欠損などをチェックします。ここでは用途変更で躯体調査を行う理由と躯体調査の種類、躯体調査を行うポイントなどを紹介していきます。
用途変更で躯体調査を行う理由は「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合調査のためのガイドライン」に基づき、調査や報告を行えば確認申請が可能な場合があるためです。検査済証がないと原則として用途変更を行うことはできませんが、躯体調査を行えば変更が可能になるのです。
既存建物のコンクリート部分に行う調査です。
既存建物の鉄骨部分に行う調査です。
既存建物の構造部材が、確認申請構造図書に記載されている通りに施工されているのかを確認しますが、躯体調査の具体的な調査内容はガイドライン調査では記載されていません。特定行政庁の判断に基づいて作業をする必要があるため、あらかじめ特定行政庁の判断を仰いで、具体的な調査方法や調査対象になる構造部位を確定させましょう。
必要な図書は、調査の前に準備が必要です。
いずれもどんな図書が必要かどうかは、特定行政庁やガイドライン調査機関に確認しておきましょう。
コンクリート調査で抜き取るコンクリートコアですが、上記でも触れたように、コンクリート強度が設計基準強度以上であるかを確認するために抜き取りは必須です。コンクリートコアを抜き取るときは、構造耐力壁を避けて非構造耐力壁を抜き取れるように、鉄筋や設備配管を切断しない箇所を選定するようにしましょう。
机上で設計図や施工図を基にチェックしたうえで、現地では超音波探傷試験を実施して鉄筋や設備配管の設置の有無をあらかじめチェックしてください。