公開日: |更新日:
既存物件をホテルなどの宿泊施設に用途変更する上で、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。ここではホテルへの用途変更に適した物件を開設するとともに、実際に宿泊施設へ用途変更した物件の施工事例も紹介します。
宿泊施設といっても、目的に応じてその種類は3つに分けられます。具体的には、人を1ヶ月以上泊めることが目的の場合は下宿、宿泊する場所を複数人で共用できる構造や設備を備えている場合は簡易宿所、それ以外の場合で人を宿泊させることが目的の場合は旅館・ホテルとなります。自分が用途変更したい目的がどれなのかを把握しておきましょう。
とはいえ、旅館・ホテル、簡易宿所・下宿のどれであっても、基本的に守らなければならない条件は同じです。具体的には、宿泊施設を建てて良い地域を規定している都市計画法、対象物件の周囲に学校や児童福祉施設などがある場合はそれらの管理者に意見照会を行うことや、客室数や客室床面積などの設備構造を定めた旅館業法、自動火災報知器や誘導灯などの設置を義務付ける消防法などがあります。
上記のように、ホテルなど宿泊施設への用途変更には守るべき条件が多く、適法性を保つためには修繕工事が必要なケースがほとんどです。建設業者や設計事務所に依頼する際には、必ず施工内容がコンプライアンスに沿っているかを確認しましょう。
既存物件をホテルなど宿泊施設へ用途変更する場合は、他目的での用途変更の場合と同じく、検査済証が残っている物件を利用することが望ましいです。
ホテルや簡易宿所への用途変更には行政機関への確認申請が必要なケースが多く、検査済証がないと安全性や適法性を再調査した上で検査済証を再取得しなければならず、費用や期間が余計にかかってしまいます。
また、3階以上に宿泊用途の部屋がある場合は、建築基準法に基づいて準耐火建築物としなければなりません。そのため、あらかじめ準耐火構造を搭載している物件であれば、宿泊施設への用途変更がスムーズに進むといえます。
【画像付き】東京での用途変更事例と
その申請・施工会社のまとめ
CABONでは、もともと飲食店だった物件をホテルへ用途変更した実績があります。このプロジェクトは、用途変更に際して行政機関への確認申請から内外装の設計、実際の施工をすべてCABONが一貫して実施しました。
資格を有する建築士にしか行えない用途変更手続きから、設計施工まですべてワンストップで任せることができる点は、依頼主の工数削減に大きく貢献する強みです。
建築再構企画では、オフィスビルとして使われていた物件をホテルへ用途変更した事例があります。この物件は竣工時に検査済証を取得したものの、検査時に駐車場となっていた部分を後に店舗として改築していたため違反建築物となっていました。
そこで、行政機関へ確認申請手続きを実施する際に、適法となるような設計図書を作成・提出することで、違反部分の是正工事と用途変更工事を同時並行で進めて良いという許可を得ることに成功しました。結果的に、短い工期で用途変更を完了することができました。