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既存物件を保育施設に用途変更する上で、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
ここでは保育施設への用途変更に適した物件を開設するとともに、実際に保育施設へ用途変更した物件の施工事例も紹介します。
昨今の待機児童問題は非常に深刻的な課題であり、既存物件を保育施設に用途変更することの需要は非常に高いです。
しかし、既存物件を保育施設へ用途変更する際には、気をつけなければならないことが大きく2点あり、1つはその物件に検査済証があるかです。
保育施設への用途変更は、用途面積が200m2以上の場合は行政機関への確認申請が必要になります。確認申請をパスするためには、完了検査を受けた証である検査済証が必要です。
検査済証がないと、費用や期間をかけて再調査を実施し検査済証を再取得しなければならないため、事前に確認しておきましょう。
また、保育施設への用途変更では関係法令を遵守することも重要です。建築基準法や消防法などでは、保育所には二方向避難が義務付けられており、東京などの都市部ではバリアフリー法によって手すり等の設置が義務付けられています。
法規を守らずに用途変更すると違反建築となるため、気をつけなければなりません。
既存物件を保育施設へ用途変更するには、検査済証が残っている物件を選ぶことが賢明です。
国土交通省の調べによると、平成10年時点で完了検査を受けている建物は全体の約4割と決して多くはありません。物件の検査済証が残っていないことがハードルとなって、用途変更のプロジェクトが進まないケースは多いため、自身が保有している物件が完了検査を受けているかを再度確認しましょう。
次に避難の観点から、階段が2つ以上ある物件や、二方向避難が可能な物件がおすすめです。関係法令としては建築基準法や消防法の他にも、自治体ごとに定められている条例の内容も確認することが必要です。
【画像付き】東京での用途変更事例と
その申請・施工会社のまとめ
CABONは、神奈川県某所で事務所として使用されていた物件を保育所として用途変更した実績を持っています。実際の対応内容としては、確認申請を含む手続きと、内装・外装の設計と施工を実施しました。プロジェクト期間は4ヶ月間で、事前打ち合わせから設計完了までが2ヶ月、設計完了から竣工までが2ヶ月でした。
建物のエントランスには施工主のこだわりのロゴマークを施し、内装には可動式のパーテーションやオリジナル遊具などを設けることで子どもたちが過ごしやすい空間を作り上げました。一連の費用は2500万円でした。
建築再構企画は、東京都武蔵野市の物販店舗を保育施設として用途変更した実績があります。この事例では、建築再構企画はユーザーの物件探しの段階から介入し、建築基準法はもちろん児童福祉法やバリアフリー法などに適合する物件を探し出しました。
さらに、見つけた物件が関係法令で定められた採光規制や避難規制により適合するように修繕を加えました。0歳児と1~2歳児の保育スペースの仕切りには、災害時は備蓄庫にもなる稼働家具を採用しました。