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市街化調整区域における用途変更とは

市街化調整区域では、土地利用が規制されていますが、用途変更は特定の条件下で可能です。

この記事では、市街化調整区域とは何か、区域で用途変更が可能かどうか、さらに用途変更が必要となる具体的な事例について解説します。市街化調整区域の用途変更でお困りの方は参考にしてください。

市街化調整区域とは

市街化調整区域は、市街化を抑制するために設定されたエリアです。住宅や商業施設などの建築は原則として認められていませんが、地方自治体の許可を得れば建設可能なケースもあります。

土地価格と税制上のメリット

市街化調整区域では建築や建て替えに制限があるため、他のエリアと比べ土地価格が低めに設定されています。さらに、土地の評価額が下がることで固定資産税も低く抑えられるなど、税金面でのメリットも考えられるでしょう。

静穏な生活環境

都市開発が抑制される市街化調整区域では、交通量が少なく静かな環境で生活を送れます。また、高層ビルの建設がないため、騒音の心配も少なく穏やかな生活が期待できるでしょう。

各施設へのアクセスが悪い

市街化調整区域は主に農業や林業を営む地帯であるため、学校や病院、スーパーマーケットなど生活に必要な施設まで距離があるケースが多いです。

インフラ整備の状況

下水道、ガス、電気、道路のインフラが整っていない場合もあります。そのため、土地を購入する際は、必要なインフラ整備にかかる費用を事前に確認し、綿密な計画を立てなければいけません。

市街化調整区域において用途変更は可能か?

市街化調整区域では、用途変更が原則として難しい状況にありますが、状況によって許可される場合があります。2016年12月27日、国土交通省が開発許可制度の運用指針を変更したことにより、規制の一部が緩和されました。この改訂は、少子高齢化に伴う空き家問題への対応が一つの背景にあります。

規制緩和の具体例としては、観光振興目的で古民家の活用、または既存集落の維持や移住定着促進を目指したコミュニティ施設への用途変更が挙げられます。

しかし、市街化を抑制すべきという基本的な原則は変わらず、用途変更へのアプローチは変わらず高いハードルが存在します。

用途変更するには、市町村が定める地域振興や観光振興計画に合致していること、そして対象建物が適正に使用されていた期間(一般的に約10年以上)などの要件を満たす必要があります。これらは最低条件であり、満たしたとしても簡単に用途変更が認められるわけではありません。

市街化調整区域で用途変更が必要となる事例

農家住宅は、1,000㎡以上の農地を年間60日以上耕作している場合に、特別に認められるものです。ただし、農業従事者に限定され、転売は都市計画法違反となる可能性があります。

重要なのは、農家住宅が建築されて20年が経過すると、一般住宅への用途変更が許可される点です。変更が認められれば、住宅の建て替えや売却が可能となり、売却の際は大幅に単価が上昇する傾向があるのです。

例えば、農家住宅を建ててから20年以上経過した物件を売却する際、用途変更を行わずに解体したケースでは、農家住宅用地や資材置き場用地としての価値しか認められません。しかし、一般住宅への用途変更を行ってから売却する場合は、より高い価格での売却が可能になります。