「用途変更」のすべてがわかるナビゲーションサイト
【事例からわかる】用途変更ナビゲーション » こんな物件でも大丈夫?用途変更前の物件別に考える » 飲食店からの用途変更

公開日: |更新日:

飲食店からの用途変更

既存物件の現行の用途によっては、用途変更時に注意しておくべきポイントは異なります。ここでは、具体的に飲食店の物件を別用途に用途変更する上で押さえておきたいポイントを解説した上で、実際に飲食店の物件から用途変更した事例を紹介します。

飲食店からの用途変更における注意点

飲食店を他の用途に変更する場合は、変更後の用途が特殊建築物に該当するか、また変更前の用途と類似するかどうかについて注意しなければなりません。

変更後の用途が映画館や学校など、建築基準法が定める特殊建築物に該当する場合は、その用途規模が200m2を超えるのであれば行政機関へ確認申請が必要になります。

飲食店から別の飲食店への変更は確認申請が不要

仮に変更後の用途が特殊建築物に該当する場合であっても、変更前の用途と類似する場合、つまり飲食店から別の飲食店へと変更する等の場合は確認申請は不要となります。

実際に、ラーメン屋の物件をカフェに変更する等、飲食店として使われていた既存物件の設備を活用して別の業態の飲食店を開業するケースは多く存在します。

この場合は、変更後の用途である「飲食店」は特殊建築物に該当しますが、変更前と変更後で用途が類似しているため、確認申請は必要ありません。そのため、確認申請にかかる時間や費用などの負担をかけずに用途変更を進められるというメリットがあります。

防火設備や衛生設備の関係で初期費用がかかりにくい

飲食店として使用されていた既存物件は、その物件が現行の建築関係法令に適法である限り、必要最低限の防火設備や衛生設備を備えていることになります。そのため、飲食店の物件は、他の用途へ変更する際に初期費用がかかりにくいというメリットが考えられます。

【画像付き】東京での用途変更事例と
その申請・施工会社のまとめ

飲食店からの用途変更事例

中華料理店から中華風ホテル

CABONは、横浜市にて飲食店として使用されていた建物をホテルへと用途変更した実績を持ちます。このプロジェクトではインバウンド需要に応えるために、大正創業の歴史ある中華料理店を中華風ホテルとして再生させました。

2018年時点で訪日外国人観光客の3割以上を占めると言われている中国人観光客(※)にとって宿泊しやすいホテルとなるように、既存物件に施されていた中華様式の内装を残しつつベッドやロビー等のホテルとして必要な設備を付け加えることで、中華風ホテルとしてリノベーションしました。

※参照元:China AD(https://www.china-ad.jp/data/

飲食店からホテルへ

CABONはさらに、東京都豊島区にあった飲食店の物件をホテルとして用途変更した実績も持っています。上記の事例と同じく、こちらも確認申請の対象となる案件であったため、確認申請から内外装の設計、実際の施工まで一貫してCABONが請け負いました。

このように、実際の用途変更においては行政機関への確認申請が必要なケースがほとんどであり、申請手続きの煩雑さも既存物件の状況や目指す用途変更後のあり方によって異なります。そのため、設計事務所や工務店に用途変更を依頼する上では、依頼先の業者がどれだけ幅広い用途変更の実績を持っているかがプロジェクトを円滑に進めるためにも重要になります。