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確認申請に必要な書類

建築物の用途申請をするためには、行政機関へ確認申請をする必要があります。確認申請には様々な書類や資料が必要で、提出物に不備があると着工が遅れてしまう可能性もあります。用途変更にはどのような書類や資料が必要なのかを把握しておきましょう。

確認申請に必要な書類・資料

確認申請に必要な書類・資料を、申請手続きの流れにそって紹介します。それぞれの段階でどのような書類が必要なのかを理解しましょう。

確認済証、検査済証、消防適合証明書

はじめに必要になる書類です。一般的には検査機関へ届出をする前に、物件オーナーと建築士事務所との間で打ち合わせを実施し、書類がどの程度揃っているかを確認します。

特に、新築物件を建設した際に完了検査を実施した証明書である検査済証は、再発行することができません。

検査証を紛失した場合や、古い建築物で完了検査を受けていない物件などの場合は、「国土交通省の建築基準法適合状況調査のガイドライン」が定める通りに建築士と指定確認検査機関が調査を実施して、現状の証明を報告書にまとめる必要があります。

この報告書は、用途申請時に既存不適格調書の添付書類として用いることになります。

既存図面(確認申請図、竣工図など)

次に、対象の物件を建設した当時の図面を確認して、建設時の関連法令を守っていたか、現行の法令は遵守できているかを確かめます。併せて、建築物の大きさや現行の用途も確認し、通常の確認申請手続きに加えて関連法令の手続きが必要かどうかを確かめます。

確認申請図や竣工図が手元にない場合でも、用途変更の確認申請は可能です。もしも建築当時の図面が手元に残っていない場合、あるいは残っているが建築当時と今とで間取りが大幅に変更されている場合には、現状の間取りに基づいて図面を復元する必要があります。

確認申請書、委任状建築計画概要書、設計図書

これらは、行政機関や検査機関へ提出するために新たに作成する書類です。物件オーナーとの打ち合わせ内容を基に、建築士事務所が図面を作成します。

図面が完成したら、自治体などの関係機関と協議を重ねて適宜修正・変更を加えます。最終的に出来上がった図面と申請書を検査機関に提出し、検査をパスすればいよいよ着工に移ります。

申請の対象となる条件をおさらい

建物の用途変更手続きが必要な条件は、主に3つあります。

まずは、「特殊建築物」へ用途変更する場合です。特殊建築物とは、ホテルや映画館、学校や病院などの建物を指します。特殊建築物のカテゴリーは6つに分けられます。

1.映画館、劇場、公会堂、集会場など

2.病院や診療所(※患者の収容施設がある場合のみ)、旅館やホテル、児童福祉施設など

3.学校や体育館、美術館や図書館、スポーツ練習場など

4.百貨店やデパート、マーケット、展示場、カフェやナイトクラブ、遊技場など

5.倉庫

6.自動車の車庫や自動車の修理工場、映画スタジオやテレビスタジオ

これらに該当する施設が特殊建築物となります。「類似の用途」以外への変更の場合、同じカテゴリー内の用途変更であれば申請は必要ではありません。例えば、百貨店やデパートの施設だったところを病院に変更する場合などは用途変更の手続きが必要となります。

最後に、用途変更する部分の面積が200m²を超えている場合です。これらの用途変更をする場合に面積が200m²を超えていると申請が必要となりますが、200m²未満であれば申請の必要はありません。

用途変更の場合は、工事完了後の検査を受ける必要はなく、工事完了後4日以内に建築主事に届出をする手順となります。

「類似用途」は申請不要!

類似用途の場合、申請は不要となります。類似用途として認められるのは、11種類あります。

  1. 旅館、ホテル
  2. 診療所(患者の収容施設がある場合のみ)児童福祉施設
  3. 図書館、美術館、博物館
  4. 体育館、ボーリング場、水泳場、ゴルフ場
  5. 下宿、寄宿舎
  6. 劇場、映画館、演芸場
  7. 公会堂、集会場
  8. 百貨店、デパート、マーケット、スーパー
  9. カフェ、ナイトバー、キャバレー
  10. 待合、料理店
  11. テレビスタジオ、映画スタジオ

例えば、ホテルが旅館へ変更になる場合、下宿が寄宿舎に変更になる場合、患者の収容施設がある診療所が児童養護施設に変更する場合などがあてはまります。その他、カフェをバーに変更したり、体育館をボーリング場に変更したりするのも申請は不要です。ただし、注意点があります。

それは、類似用途の場合でも申請不要なのは、床面積が200m²以下の場合です。仮に、体育館をボーリング場に用途変更しようと考えている場合、用途カテゴリーだけを見れば申請は不要ですが、床面積が規定の面積より広ければ、申請が必要となります。

また、類似用途でも建築申請は必要となるので、申請書類準備の際には頭に入れておきましょう。

書類の準備を怠るとペナルティの対象に

上述の通り、建築物の用途変更には様々な関連書類・資料の事前準備や手続きが必要になります。物件オーナーによっては、建築関連の法令にそこまで馴染みがなく、用途変更の事前準備の必要性を十分に理解していないケースもあります。

しかし、申請書類に不備を検査機関から指摘されてしまうとその分だけ工期が遅れるだけでなく、オーナーのコンプライアンス意識があまりにも低いと判断された場合は工事許可すら下りない可能性もあります。

また、確認申請を行わずに用途変更を実施すると、1年以下の懲役または100万円以下のペナルティの対象となることが労働基準法や建築基準法で定められています。

参考元:国土交通省HP(https://www.mlit.go.jp/common/000116324.pdf

手続きや工事をスムーズに終わらせるためにも、書類や資料の事前準備は徹底する必要があります。

必要書類の不足時には建築事務所へ相談を

建築物の用途変更手続きに必要な書類は、法令によって定められています。必要な書類や資料がどの程度手元に残っているかを事前に確認し、必要書類の紛失や不足は建築士事務所に相談のうえ適切に対応しましょう。

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